2013年1月26日、タンジュンブノアに新登場したアクティビティアクアスターを体験してきました!従来バリ島の海底探検メニューといえば、オーシャンウォーカーのように酸素ヘルメットを被った歩行スタイルが定番でした。アクアスターの注目ポイントは、水中バイクに乗って潜水するという新しいスタイルです。催行会社のアクアスター社自体も、2012年に始動したばかりのニューフェイス。珍しいスタイルのアクティビティだけど実際のところはどうなの?激安価格だけど、サービス面は大丈夫?そんな疑問を解決すべく、ムナコとサトゥ―氏が突撃取材してきました!
送迎車での出発!
アクアスター社は、ロシア人経営者のアレックスさんとセルゲイさんが共同で立ち上げた真新しいアクティビティ会社です。
一般スタッフに混ざって現場で忙しく立ち回っているというお二人。取材当日は、セルゲイさんが自ら送迎車のドライバーを務めてくださいました!
取材日は朝から小雨がぱらつくお天気。アクアスターは海の中でのアクティビティなので、多少の雨なら問題なく催行されるそうです。
ヌサドゥアに林立する大型リゾートホテルの間を抜け、
ブノア岬の突端近くまで車を進めたところにアクアスターのクラブハウスがあります。
クラブハウスに入って右側がカウンターです。
ブルーのTシャツがアクアスタースタッフのトレードマーク。
日本語は通じませんが、簡単な英会話が通じます。
海からの風が吹き抜ける開放的な造りです。
休憩室にはシンプルなテーブルセットが並び、この日は取材班の他にロシア人のツーリストが何組かボートの出発を待っていました。
隣にはスイミングプールと、クルージングで有名なクイックシルバー社のオフィスが見えます。
テーブルに着席して申込み用紙に記入します。用紙は英語またはロシア語でのご用意。
名前・生年月日等の記入欄の他に、健康状態についてチェックリストがあります。
・妊娠
・海水アレルギー
・心臓病
・肺または呼吸器の疾患
・心臓麻痺を起こす可能性
・サイナス(鼻腔)の疾患
・耳の感染症
・鼻づまり
・病気や怪我
・現在医師の診断を受けている
・病気のため薬を服用中である
・閉所恐怖症
以上の項目に当てはまる場合のみチェックを入れて、サインをすれば完了。
この用紙に記載はありませんが、ここにサインをすることで万一の場合に保険(対象年齢10歳~65歳)が適用されます。
水中撮影は料金別途にてスタッフが請け負います。水中写真は10枚/20$、ムービーは5分/15$、
10分/30$ですので、ご希望の場合は現地でお申込みくださいね。
ロッカールームで着替え
申込み手続きを済ませたらさっそく着替えに行きましょう。
カウンター脇の廊下の奥がロッカールームと更衣室です。
ロッカーを真ん中にして2つの更衣室があり、左が男性用、右が女性用との説明がありました。
しかし男女の別を示すサインは特になく、 ムナコが女性用更衣室に入るとロシア人のご夫婦が仲良く海に出る支度をしている最中でした。
こっちは女性用だから絶対に男の人はいないはず!と思っていくと、びっくりしてしまうことがあるかもしれません。
男性用更衣室の中にはシャワーブースとトイレがそれぞれ2室、女性用更衣室の中には3室あります。
違いといえば、男性用トイレには備えられていなかったトイレットペーパーが女性用トイレにはあったことでしょうか。
着替えは基本的に鍵のかかるシャワーブース内で行うので、スタッフもゲストも男女の使い分けはあまり気にしていない様子でした。
シャワーは水シャワーで、備え付けの石鹸などはありません。
施設は清潔でにおいもありませんが、かなり暗いですし長居はしたくない雰囲気です。
朝はホテルから水着を着ていくことをおすすめします!
更衣室の外側には、男女共用の洗面スペースがあります。
こちらはトイレに比べると意外なほど清潔で、ハンドソープ、ティッシュ―などの備品も充実しています。
大きな鏡もあるので、アクティビティのあとに髪型やお化粧を直すのにも便利ですね。
着替えを済ませたら、荷物をロッカーにしまいます。
大きさは日本の駅にある100円ロッカーほどですが、意外と奥行きがあってサトゥ―氏の大きな取材用バッグもすっぽり収まりました。
スタッフから「靴を脱いで行った方がいい」と声がかかり、サンダルもロッカーへ。
しっかりと施錠して、鍵はご自身で管理してくださいね。
ゴムバンドのようなものは付いていないので、私は海遊び用パンツのポケットに入れました。
ボートでポントゥーンへ
準備が済んだら、海に浮かぶポントゥーンへ出発です。クラブハウスのすぐ裏からビーチへ降り、小型ボートに乗り込みます。
膝まで海水に浸かりながらボートに近づきます。
浅瀬にはけっこう小石や貝殻の破片があるので、サンダルは脱がない方がよかったかも・・・
揺れる船を抑えてもらいながら乗船します。
ライフジャケット等の使用は特にありません。
この日は私たち取材班の他にロシア人のご夫婦、カップルが同じ船を利用しました。
船に乗り込んでまわりの方の服装を見ると、シャツやスカートを着けたままの方、サンダルを履いたままの方も います。
船に乗り込む段階でかなり濡れるので、完全に水着に着替えるのはおすすめ。でもサンダルはあったほうが安全だよね、私も履いて来ればよかった・・・なんて考えていると、ハプニングが発生!
ボートのエンジンがかかりません。ボートの船長とスタッフが数分試行錯誤したあと、ボートの乗り換えが決まりました。すぐそばに係留されていたこちらのグリーンのボートがピンチヒッターです。
乗り換えの際は船から船へとみんなでワイワイ乗り移りました。タイタニックの避難シーンみたいだなあ・・・
マリンスポーツはスムーズに催行されないとイヤ!という方にはおすすめ出来ませんが、ムナコとしてはちょっぴりワイルドで愉快な体験でした。
ビーチからポントゥーンまでは10分ほどで到着します。お天気はあいにくの曇り空ですが、タンジュンブノアの海ではバナナボートやフライフィッシュが催行されていて賑やかでした!
ポントゥーン
鮮やかなブルーのポントゥーンが見えてきました。ボートを横付けし、スタッフに手伝ってもらいながら上陸します。
小さなボートはかなり揺れるのでお気をつけください!
ムナコ「ポントゥーンの位置はビーチからどのくらいですか?」
スタッフ「今日はだいたい1㎞くらいかな」
え?「今日は」?
実はアクアスター社のポントゥーンは移動式で、海の中を好きなところへ操縦していくことができるそうです。
ポントゥーンのなかほどにあるのが操縦席。
4つのポイントの中からコンディションのいいところを選んで催行場所とするので、透明度の高い海を体験できる可能性が高いのだとか。
操縦席の脇にはちょっとした休憩スペースがあり、アクアグラスとペットボトルが用意されています。
ご自由にお飲みください。
ポントゥーンにはトイレもあります。
様式タイプですが、桶に水を汲んで洗い流すスタイルでした。ちなみにトイレットペーパーはありません。
そしてポントゥーン後方の格納庫の中にアクアスターの黄色いスクーター発見!
原動力は電気で、日本の電気自動車のように充電方式だそうです。海を汚さないクリーンな乗り物ですね。
下の写真はまだ座席と酸素ボンベを取り付ける前の状態です。
スクーターのタイプは一人乗り用シングル、二人乗り用タンデムの2種類。
ただしこの日はシングルの機体がメンテナンス中で、タンデムのみの使用となりました。
このような場合に一人参加のゲストがいた場合は、タンデムに一人で乗っていただいて問題ないそうです。
ちなみに、左の写真がスクーター格納庫を裏から見た様子です。
服を着たままボートに乗り込んだロシア人ゲスト達はポントゥーンの上でさっと着替えを済ませ、服や荷物を格納庫の屋根に置いていました。
この日、アクアスターを最初に体験するのはロシア人のご夫婦。
スタッフはゲストがポントゥーンに到着してからスクーターのセッティングを開始するため、少し冗長な印象がありました。
しかもこの日使える機体はタンデムが一台のみだったため、取材班はしばらくポントゥーンで順番待ちをすることに。
フリーシュノーケリング
しかしアクアスターでは、ポントゥーンの上でゲストを退屈させないための工夫もしています!
待ち時間中、器材を無料レンタルしてシュノーケリング体験が出来ました。事前のお申込みなどは不要です。
ただし、潔癖症の方はご注意!
フィンには問題ありませんでしたが、ゴーグルはパッキンがカビで黒ずんでいるのが残念でした。
ムナコも最初は躊躇したのですが、他のゲストを見てみれば私が手渡されたものよりも更に真っ黒なゴーグルをつけて楽しそうに泳いでいるではありませんか!楽しさと清潔度は関係ないのか~と感心しつつ、意を決して装着!
シュノーケルも留め具が甘くなっているのか、すぐにストラップから抜けてしまい、身に着けるのに手間取りました。
この待ち時間中のフリーシュノーケリングですが、料金もフリーなら行動もフリー。
スタッフはスクーターに乗ったゲストのケアにかかりきりのため、特に案内や講習はありません。
海中にゆっくりと降りられるようなハシゴもありません。
一緒にボートに乗ってきたロシアの女の子はドッボーン!! と派手に飛び込んでいましたが、
そんな度胸のないムナコはスクーターを降ろすステージを伝ってそろそろと海の中へ。
「シュノーケリングやるなら撮影してきてください!」とサトゥ―氏に水中カメラを手渡され、スクーターの目印であるオレンジ色の浮きを追いかけます。
このときの水中写真はレポートでご紹介するほどいい出来ではなかったのが残念ですが、海の中はそれなりに透明度が高く、トロピカルフィッシュも至近距離で見られました。
私はライフジャケットなしのシュノーケリングがやっぱりちょっと不安なので早々に海から上がりましたが、体力に自信のある方はスクーターの番が来るまで好きなだけお楽しみください☆
いよいよアクアスター体験!!
ほどなく、ゲストを乗せたスクーターが25分間の海中散歩を終えて戻ってきました。
ステージの引き上げはなんと人力!
最初はびっくりしましたが、停電で動かせない、なんてことがないのでもっとも安全な方式といえそうです。
経営者のセルゲイさんもアレックスさんも自らステージに降り、スタッフ総出で引き揚げます。
いよいよ我々取材班の番です!
ヘルメットの部分はスクーターに固定されているため、このように屈みながら乗り込みます。
海に入る前に、水中での手信号3種類を英語で教わります。
・人差し指と親指を輪にする「OK!」
・手のひらを下にしてヒラヒラと振る「何か変です」
・親指を上に立てる「浮上したいです」
ダイビングの手信号と同じですね。
スクーターにまたがり、ハンドルについている操作ボタンについても英語で説明を受けます。
左のボタンは潜水と浮上をコントロールするボタン。ですが深度の調節は同伴するダイバーが行うので、自分で操作する必要はありません。
右のボタンが前進ボタンなので、ゲストはこれを操作して自由に海の中をお散歩します。
魚の餌となるペットボトル詰めのパンを受け取ったら、徐々にステージが下降しはじめました。
ヘルメットの中は意外に広々としていて、
後ろに座ったサトゥ―氏との会話も余裕です。
スクーターの座席に座った下半身からどんどん水の中に沈んでいきます。
このとき海面の波が身体に当たるので、けっこう左右に揺さぶられますよ。ヘルメットの内側に頭をぶつけないよう注意してくださいね!
肩ほどまで沈んだとき、アレックスさんが身振り手振りで「耳抜きをしてね!」と言っているのが
ヘルメットのガラス越しに見えました。
アクアスターのようなアクティビティで耳抜きは必要ないと思い込んでいたムナコ、慌てて鼻をつまみます。
スクーターの屋根まで海水に浸かるか浸からないかというところで、さっそく気圧の変化を感じました。
外には2名のダイバーがつき、ガラス越しに
「OK?」とゲストの状態を気遣いながらスクーターを進めていきます。
安全管理のため、一台のスクーターには必ず2名のダイバーが同伴してくれるので安心できました。
完全に海の中に沈んだら、まずはダイバーがスクーターをコントロールして魚が多く集まっている海底の岩へと近づきます。
ここでペットボトルのパンを撒くと、あっという間にすごい数の魚が集まってきますよ!
餌を撒きながらスクーターを進めると、こんな風に魚が行列になって追ってきます。
アクアスターで観光できるのは水深3mの海です。
以前バリビューダイブの取材で体験したダイビングでも、サヌールの海のちょうど3m地点、シーウォーカーポイントの近くを見てきました。
シーウォーカーで見られる海に比べると、ヌサドゥアのアクアスターポイントはサンゴ礁は少なめ、でも魚の数では負けていません!可愛い熱帯魚たちと交流するなら、ムナコはアクアスターをおすすめします。
餌の入ったペットボトルには蓋に穴が空けられていて、
ギュッと押せばパンが飛び出る仕組みになっています。
右手で推進ボタンを操作しながら片手で餌やり体験が出来る、ちょっと便利な工夫ですね。
ちなみにスクーターのスピードは比較的ゆっくりめです。
海中を自由自在にスイスイというわけにはいきませんが、のんびりと海の中を楽しむのにはもってこいです。
そもそも、自分から見に行かなくてもすごい数の魚が寄ってきます。
餌に群がってくる魚たちでガラス一面が覆われることもありました。
一番多かったのは写真にも写っている通り白黒ボーダーの熱帯魚ですが、時折びっくりするくらいサイケデリックな模様の魚がガラスに寄ってきました。
カメラマン・サトゥ―氏と「これこれ、この魚がキレイですよ~!」なんて会話が出来るのもアクアスターならではです。
いつもは辛口チェックが得意なサトゥ―氏も、「これは楽しいですねえ!」とはしゃぎ気味☆
★サトゥ―氏のおすすめポイント★
其の一、バイクスタイルの海中探索はとても快適!!
このアクアスターはバイクにまたがっているだけで海中探索が出来るということで、体力も使うことなく楽しめるという画期的なアクティビティですね。
其の二、トレードマークのメガネも安心!!
眼鏡をかけている者にとって、マリンスポーツでの一番の心配事はというと、海に顔をつけるということですね。水しぶきですら好ましくないのですが、顔の部分が全く水に浸かることが無いので、とても快適です。
其の三、思い出作りに最適なインパクト大のアクティビティ!!
バイクと酸素ヘルメットが合体したアクアスターは、タンデムだと会話しながら素晴らしい海底の様子を見学できるというのも、カップルやお友達同士にはとても重要な要素だと思います。バリの思い出作りには最もインパクトがあるアクアスターはいま注目のマリンスポーツですよ。
潜水時間は約25分間。
時間が来ると、ダイバーがスクーターを押してポントゥーンに戻り始めます。
海面に出てみれば、いつの間にか強めの雨が降り出していました。
ポントゥーンでタオルを借りて、雨の中ボートに乗ってクラブハウスへ戻りました。
かなり寒い状態で水シャワーを浴びましたが、シャワーブースが屋内にあることと、クラブハウスでもう一枚乾いたタオルを借りられたことは幸いでした。
ランチタイム
シャワーを浴びた後は、クラブハウスにてランチタイムです!
スタッフにリクエストすると、お隣のインドネシアンレストランからお料理が運ばれてきます。
この日はムナコがナシゴレン、サトゥ―氏がミーゴレンをオーダーしました。
ナシゴレンはインドネシアというよりは日本の家庭料理的なお味。
どちらもまったく辛くないので、ツーリストにも食べやすい味付けだと思います。
外ではまだ雨が降っていて、シャワーを浴びて体を拭いてもまだ寒い気温。
メニュー表の中にあったホットティーとホットコーヒーをありがたく頂戴しました。
あたたかいお茶でからだをあたため、再びセルゲイさんの運転でオフィスに戻ります。
本日はどうもありがとうございました!
取材を終えて・・・
去年バリビューダイブさんにお邪魔したダイビング取材以来、海でのアクティビティ体験は2度目でした。
特別な訓練や装備がいらないアクアスターは、ダイビングに比べるとずいぶん楽に海の世界を楽しめます。しかも、座席にまたがったままでOKのスクーター型なので、ヘルメットが重いとか、潮の流れが強くて歩くのが大変、といった従来の海底探検メニューの弱みも見事に払拭していると思います!
水中ではダイバーがある程度スクーターを抑えているので非常に安定感があります。スクーターで回遊できるのは水深3mの海ですが、このくらいの深度の海というのは体験ダイビングで目にするとの同じくらい景色が楽しめると思います。特にタンデムは、一緒に乗った友達や恋人と、「この魚キレイ~!」なんて会話ができるのが嬉しいですね。
さて、アクアスターは出来たてほやほや、しかも激安アクティビティなので、お値段なりに不便な点があることも否めません。日本語の案内がない、器材に清潔感がない、といったことの他に、時間の不正確さが最大のウィークポイントですね。今回の取材ではポントゥーンに向かうボートの故障でまず出発が遅れ、その次は通常2台出すはずのスクーターが一機メンテナンス中のため、待ち時間分の時間がとられ・・・と遅延だらけ。事前に案内されたスケジュール通りに催行されることはまずないと思った方がいいかもしれません。
ですが、スクーターに乗ったスタイルで楽に海中観光ができるのはアクアスターだけ。今回体験した、たくさんの熱帯魚が集まるポイントにゲストを案内しているのもアクアスターだけだそうです。細かいことや時間は気にせず、おおらかに海を楽しみたい方におすすめのアクティビティです!!
※本レポートは体験時の情報に基づき作成しております。内容、スケジュール等は予告無く変更される可能性がございますのでご了承ください。また、レポート 内容には体験者の主観的な意見・感想が含まれていますが、全ての方にこれを保証するものではありません。あくまで参考としてご利用下さい。