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風葬のトルニャン村ツアー 体験レポ | バリ島 ツアー

2012年4月4日、トルニャン村ツアーの取材に行ってきました。この村はバリ島中部の避暑地、キンタマーニ高原のバトゥール山の麓にあります。人口約600人の閉鎖的な村なので、メジャーな観光スポットとしてはあまり紹介されません。そのためバリ島リピーターでも知っている人は少ないと思いますが、実は知る人ぞ知る“風葬”の村です!そう、火葬でも土葬でもなく、遺体を野ざらしに置き風化させる「風葬」なんです!この村ではそんなお墓の見学がメイン観光ポイント。そして、村人の主な収入源はその墓地観光と細々と営む農業です。それではトルニャン村をご紹介していきますよ~!

 

出発!!

 

 

早朝オフィスを出発。

エアコンの効いた快適なダルナトランスポートのプライベート車に揺られながら、トゥルニャン村への期待と一抹の不安が交差します!

行きの車の中ではガイドのワルジャナさんにトルニャン村についていろいろと教えてもらいましたよ~。
ワルジャナさんはおっとりとした人ですが、日本語も上手で知識も豊富。
さすがはガイド歴25年のベテランです。

サヌールからウブドを抜ける途中の風景がまた綺麗!田園風景やヤシ林を通過します。
南部リゾートでは見ることのできない素朴なバリ島の風景・・・

 

絶景キンタマーニ高原を下って船着き場に到着

 

 

車はどんどん北上しとうとうキンタマーニ高原に。
山々に囲まれたバトゥール湖が眼下に広がります。
ツアーではこの絶景ポイントでの撮影タイムがあります!

 

ここからうねうねとした道を下って、先ほどまで見下ろしていたバトゥール湖の湖畔に到着。

ここに船乗り場があります。船着き場は想像以上にしっかりした構えで少し安心。

 

周囲は晴らしい風景が広がります!四方八方を山々に囲まれたバトゥール湖。
野菜の産地だけあって空気も新鮮で、久しぶりに “空気がおいしい”と実感できました。

こちらがチケット売り場です。チケットにはボート代だけでなく、船で案内してくれるキャプテン、村や墓地での案内役の料金も含まれています。


船着き場のトイレチェック!男女兼用で使用料はRp.2000(約18円)です。

 

 

清潔度はバリ島在住の僕から見れば合格点。

ただトイレットペーパーはなくインドネシア式です。
つまり、用を足した後は紙の代わりに浴槽の水で洗います。でも、水自体や便器は汚くありません。

 

トルニャン村に出発

 

 

船は今回は大人数で乗り合わせたので大型船を使用。
揺れも少なくまずまず快適でしたよ(通常は小型ボートで行きます)。
移動時間は25~30分ほど、船酔いはしませんでした。

 

こちらが小型ボート。7~9人乗りでライフジャケットが用意されています。
屋根が付いていますが、所々破けているので雨が降った場合は濡れる覚悟が必要。。

 

 

船からの風景も見どころの一つ!本当に四方八方を山々に囲まれているんですよ!
山々の上部は霧に覆われていて、まさに「神々の棲む島」バリ島を象徴するような風景です!!

いよいよトルニャン村に到着

村が見えてきましたよ~!!!
想像以上に小さな村です。背後には山がそびえ、村の面積は東京ドーム1個分ないのでは?!というくらいの規模です。
湖と山に挟まれた、まさに“伝説の村”。
ガイドのワルジャナさんの話では、数年前までトゥルニャン村に行く交通手段はこのボートを使う以外なく、
中には多額のボート代を請求するようなケースもあったそうです・・・。

ですが、今ではトゥルニャン村まで湖沿いに道路が造られたこともあり、また観光に携わる村人への教育も徹底されたため、そのようなトラブルは無くなったとの話です。

 

 

さぁ、トゥルニャン村の船着き場に到着。
村の入り口にはいかにもバリ島らしい割れ門が。まさに伝説の村への登竜門という印象!

まっすぐ伸びた道を進むと、そこには「大昔のバリ島はこんな感じだったのでは?」というような風景が広がっていました!

 

 

コンクリートで固めただけの様な質素な民家。ヒンドゥー寺院。
そして、寺院の祭礼帰りなのか民族衣装の村人たち。田園。遠くから観光客を珍しそうに見つめる子供たち・・・

 

 

お寺の近くに腰をおろしていた村のおばあちゃん。
こぎれいで、しかも服の色使いが意外とおしゃれ。

 

村のヒンドゥー寺院。背後の山に見守られているような厳かな印象。

観光客が見学する時には通常腰に巻くサロンを渡されますが、今回は取材のため特別にサロンなしです。

 

 

こちらは“マンクゥー”と呼ばれるお寺を守るお坊さん。
バリ島では聖職者として尊敬される存在です。

観光客が利用できるトイレは村には1か所だけありました。
使用料はこちらもRp.2000。

清潔度はボートの船着き場よりも落ちます。用を足した後に利用する水が床にも溢れています。
しかも土足禁止。水自体は綺麗ですが、日本人観光客は敬遠してしまうかも・・。
船着き場でトイレを済ましておいた方が良さそうです。

 

風葬の墓地 Kuburan Terunyan へ・・・

 

村を見学した後はいよいよ墓地に・・・。
またボートに乗り、墓地に向かいましたよ。

ボートに乗ること約5分。墓地が見えてきました。墓地も湖のほとりにあります。
気のせいか、村人が住むエリアとはまた違った空気が流れている・・・?!

墓地の船着き場につくと名前を記帳する受付があります。
そして、気持ちほどのお布施を。目安としてはRp.10,000前後でしょう。
このツアーの場合はこちらも含まれているのでガイドさんにお任せしてOK

「Welcome to Kuburan Terunyan」の 前で一枚。Kuburan はインドネシア語で「お墓」という意味です。

 

受付横にあるトイレは男性用と女性用の2つ。
清潔度は船着き場と同じレベルですが、村のトイレより清潔です。使用料はRp.2000。

いよいよ墓地に潜入!

インドネシアは大多数がイスラム教徒。
バリ島だけが約9割がヒンドゥー教徒の占める特別な島です。
そして、イスラム教徒は通常は土葬、バリ・ヒンドゥーは火葬。
なので、トゥルニャンの人たちはそんな特別な島「バリ島」の中でも独特の習慣・文化を持っているんですね。
トルニャン村には3つの墓地があり、観光客が見学できるのは「Sema Wayah」という、一般的な病気など、普通の亡くなり方をした人の墓地でした。

 

受付から風葬の墓まで歩いて50m程度の小さな場所。
ただし、この墓地は周囲を岩壁に覆われているためボートでしか訪れることができません。

 

 

この中に墓地「Sema Wayah」があります。階段を3メートルも登るとすぐに墓地がありました!もう、いきなり!という感じ。

墓地内は狭く、三角△の形をした竹の籠が並んでいます。
ご遺体はその中に置かれ、ミイラ化していました。驚くべき事に異臭は無いんです!
墓地内に立つ Taru Menyah という香木が発する香りが異臭を中和しているそうです。

 

 

樹齢数百年と言われるこの巨大なTaru Menyahからはお香のような匂いが微かにしました。

ここには最大9人の遺体しか置く事ができず、新しい遺体が運ばれると一番古いものは右手にある「骸骨を安置する場所」に移動されます。

これが「骸骨を安置する場所」です!!
手前には頭蓋骨。奥には足の骨なども立てられています!
僕は生まれて初めて人間の頭蓋骨を見ました。意外と小さい印象を受けましたよ・・合掌!

 

墓地見学終了

墓地見学の後はまたボートに乗って、今度はトゥルニャン村には寄らずに直接船着き場に戻ります。やはり約30分の行程。

移動中にいきなり雨が降ってきました!!
墓地で記念撮影をしたので、なんだか墓地に眠る遺体にちょっと怒られているような気分に・・再び、合掌!

 

船乗り場で待っていたダルナトランスポートのプライベート車に乗って、ほっとひと息。
さっきまで“伝説の村”トルニャンを見学していたのが夢みたいです。
一生に一度できるかできないかの体験でしたよ。

 

 

感想&見どころ&注意ポイント

バリ島の穴場観光地という触れ込みは各旅行会社で見受けることがありますが、これこそ本当の穴場です!トルニャン村を観光すれば、日本に帰って友達に自慢できること間違いなし!

山と湖に挟まれた独特のロケーション。閉鎖的な村の雰囲気さえ “冒険気分”で楽しめます。そして、墓地見学・・・!!

また、以前起こっていたトラブルが気になっていたのですが、
観光職員の方のお話では、現在は船着き場やトゥルニャン村に観光職員がいて、万が一トラブルがあっても迅速に対処してくれるそうです。

実際、今回行った時も観光局のスタッフのような方が何人もいて、帰りの船でも船頭さんの他に村のガイドさんが同乗してくれましたよ。
それでも自分たちだけで行くのはちょっと不安があるかもしれませんが、このツアーではダルナトランスポートの日本語ガイドが同行するので安心ですね。

それともう一つ気になるのがトイレ。
バリ島在住者からすれば平均的なレベルですが、バリ島に初めて旅行する人は抵抗があると思います。
まぁ、これだけ穴場観光地でトイレの清潔度が日本レベル・・というのは無理な話でもあります。

でも、これだけは言えます!!バリ島リピーター、遺跡などに興味のある人、アドベンチャー精神旺盛な人は絶対に満足できると思いますよ。きっとカルチャーショックを受けることでしょう!

 

※本レポートは取材時の情報に基づき作成しております。 金額、内容、スケジュール等は予告無く変更される可能性がございますのでご了承ください。

 

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About 体験レポート編集部

こんにちは!ヒロチャングループの体験レポート編集部です! バリ島内のスパやアクティビティなど、さまざまなメニューをスタッフが体当たり取材!定番メニューからディープな穴場スポットまで、良い所も悪い所も全部ぶっちゃけちゃいます。ぜひ、ご旅行計画の参考にして下さい!!