2013年1月31日、数あるバリスパの中でも一、二を争う人気店フランジパニにお邪魔しました。日本人経営ならではの、他の追随を許さないハイクオリティな接客はヒロチャンオフィスでもたびたび話題に上ります。有名なフランジパニ・スパですが、ヒロチャンが取材に伺うのは今回が初めて。シロダーラの含まれた人気のロングメニュー、ザ・メディテーションを体験してきました。
フランジパニへ・・・
取材当日はあいにくの雨でしたが、高級感あるフランジパニの送迎車で元気に出発です。
ジンバランの高台にあるフランジパニ。実は、前の日に取材したジ・アムルタともご近所です。
飾り気のないシンプルな看板がフランジパニの目印です。
入口に送迎車が横付けされると、スタッフが傘を持って出迎えてくれました。
みなさん第一声はきれいな発音の「おはようございます。」
さすが、日本語接客の教育が行き届いているんだなー!と期待が高まりました。
ロビー
ゲートや前庭はありませんが、どっしりとした背の高い扉が重厚な雰囲気のエントランス。
入り口をくぐって正面に、シンプルなレセプションカウンターがあります。
ロビーに配置された大きな革張りのソファに案内され、受付が始まります。
セミオープンエアのロビーは白い砂利の敷き詰められたパティオに直結していて、ウォーターフローの音が心地よく響いています。
余白を生かした空間演出は落ち着いた南国リゾートをリッチに彩りながら、どことなく日本風の侘びを感じさせました。
ウェルカムドリンクはレモングラスのスティックが添えられたホットジンジャーティー。
とろみがあって濃厚で、非常においしかったです。
ドリンクを頂きながら、健康状態などをチェックするカウンセリングシートに記入します。
このときオイルサンプルをみながらマッサージに使用するものを選ぶのですが、その数なんと15種類。
選べるマッサージオイルを3~4種類用意しているスパは多いですが、フランジパニの15種類はムナコの経験上最多です。
ジャムーオイル (※ジャムーとは・・・インドネシアに自生する植物を利用した、古来より伝わるハーブ薬。)
- ボカシ・・・アトピー、皮膚の弱い方に。
- カユプティ・・・胃痛、腹痛、鼻炎、喉の痛い方に。
- アンギン・・・風邪の引き始め、頭痛のある方に。
- テロン・・・不眠症の方に。
- ゴソッ・・・血液循環の悪い方、冷え症の方に。
- スンバワ・・・喘息の方に。
- アグス・・・皮膚が乾燥している方に。
- アカールラワン・・・肩こり、腰痛のひどい方に。
心を癒すオイル
- ジャスミン・・・生理痛、更年期障害に効果的。幸福感を高めるアロマ。
- イランイラン・・・心を鎮める作用。
- カモミール・・・イライラを鎮める作用。
身体を回復させるオイル
- ユーカリ・・・咳を抑え、呼吸を楽にする効果。爽やかな香りで、ストレスを軽減。
- レモングラス・・・殺菌効果。リュウマチ、めまい対策に。
- オレンジ・・・不整脈に効果的。リンパの流れを活性化。
- ペパーミント・・・細菌によるかゆみ、かぶれ等に効果的。
こんなにたくさんあるフランジパニのオイルですが、ロビーにはそれぞれの効能を詳しく解説した日本語パンフレットがあるので安心です。バリ島におけるハーブの使い方など、ちょっとした豆知識も書いてあるので思わず読みいってしまいました。
フランジパニはバリ島初のジャムートリートメント専門店でもあります。
ここはやはりジャムーオイルを試してみたいということで、連日のスパ取材で風邪気味だったムナコはアンギンオイルをチョイスしました。
カウンセリングのあとは、ロビーのお隣にあるロッカールームへ荷物を預けます。
フランジパニは貴重品管理の厳しさでも群を抜いていました。貴金属はビニール袋に入れ、財布などと一緒にナンバー式の金庫へ。
その他大きなバッグ等は、鍵のかかるロッカーに入れましょう。
ロッカールームに荷物を入れたら、担当テラピストの案内でトリートメントルームへと向かいます。
本日の担当テラピストは初々しい雰囲気のアユさん。
23歳・フランジパニ歴4年という彼女は若いながらも腰がひくくて、好感のもてる接客をしてくれました。
今回はお店の計らいによりVIPルームで施術していただきます!
アユさんの案内で階段を上がり、3Fへ。
トリートメントルームまでは少し長い距離を歩きました。この道中の光景がまた素敵。
外から見ると分かりにくいですが、フランジパニの内部には中庭や離れが入り組んでいて、まるでお城のような空間が形づくられているんです。
敷地はとても広く見えますが、トリートメントルームの総数は意外と少ない9部屋。
この豪華な敷地にたった9つのお部屋とは、なんて贅沢なんだろう・・・としみじみしてしまいます。
トリートメントルーム
広場のように余裕のある廊下を挟んで、2つのVIPルームが向かいあう3階フロアにやってきました。
入り口はバリ風の細い扉です。
室内のインテリアは清潔感あるホワイトとジャムーを思わせるアースカラーでまとめられていて、フランジパニのイメージそのもの。
また、お部屋の第一印象は「ベッドが大きい!」というものでした。
シーツにも厚みがあって、高級感が漂います。
ピローの下のボウルには、“レンパレンパ”と呼ばれるジャムーの原料が入っていました。他のスパではお花を入れるのが一般的ですが、さすがジャムー専門店、やることが渋いです!
室内のバスタブはピカピカの最新式で、ジャグジー機能もついています。
シャワーブースはバスタブのうしろに。
シャンプー、コンディショナー、バスジェルも完備されていました。
フランジパニにはサロンも1室ありますが、VIPルームをご利用の場合はお部屋から出ることなく、クリームバスの施術も楽しめます。
フットバスはアンティーク調のチェアにて。
こちらのお席はクリームバスにてマッサージチェアの役割も果たします。
トリートメント準備
テラピストはいったん退室するので、その間に着替えを済ませます。
脱いだ服を入れるカゴがあるのは当たり前ですが、フランジパニには下着が見えないようにしまっておく巾着まで用意してあって感動です。
服はまとめて部屋の隅のロッカーへ。何をどこへ入れるかは、退室前にテラピストが丁寧な日本語で説明してくれます。
フランジパニのキモノは上品なバティック柄。
パリッとした仕立てでした。
アビヤンガマッサージ
まずはチェアに掛けて、トリートメントのスタートに欠かせないフットバス。
フランジパニのオリジナルプロダクト、ラハシアシリーズのタラソウォーターを贅沢に使って膝下を洗い上げていただきました。
ちなみにこのタラソウォーターも、バリ島アメッドの深海から汲み上げたバリ島ゆかりの製品なのだとか。
フットバスに続き、トリートメントベッドに移動してのアビヤンガマッサージ。
小柄なアユさんですが、ベッドに上ってしっかりと体重をかけながらマッサージしていただきました。
力加減の確認も、慣れた様子の日本語で。
1日に3人ほどの日本人ゲストを担当しているという彼女は、接客会話はすべて日本語でマスターしています。まるで日本のエステで、日本人スタッフにマッサージされているかのような安心感がありますよ。
マッサージオイルの“アンギン”はすっとするような、薬草らしい香りでした。
背中や腕は言わずもがな、脇下やおしりまで、本当にからだの隅々まで丁寧にほぐすマッサージでした。
ホットストーンマッサージ
60分のアビヤンガマッサージのあと、いよいよホットストーンの登場です。あたためた石を使うこのトリートメントはバリスパではポピュラーですが、実は私は初めての体験。
1年のバリ生活でとても日本の温泉が恋しい身には、「まるで温泉のようにポカポカする」といわれるホットストーンのキャッチフレーズがとても魅力的です。
テラピストが石を手に取り、肌の上を滑らせていきます。
マッサージの油分が肌に残っているため、石はなめらかに滑ります。
温度はかなり高め。「熱いですか?」と尋ねるアユさんに「熱いです!」と答えて、冷ましてもらいながらマッサージを受けました。
最初は寒くてクーラーをオフにしてもらったほどだというのに、この頃には全身がポカポカになっていました。
ジャムーボディスクラブ
ホットストーンで火照った肌を鎮静化するように、ひやりとする感触のスクラブを塗っていきます。
フランジパニのスクラブは伝統的なジャムーレシピを参考に、ナチュラルな処方で作られたオリジナル。
お肌にやさしいと評判です。
スクラブが乾いたところを、テラピストが丁寧かつ素早い動作でポロポロと擦り落とします。
スクラブを落とした後には、しばらく仰向けで目の上にタオルを置き、休息する時間がありました。
タラソフラワーバス
スクラブのあとはフラワーバス。
休息時間のあいだ、アユさんがせっせと作ってくれたBaliの文字のフラワーアートが可愛いです。
入浴の直前、アユさんがひと瓶丸々のタラソウォーターをバスタブに投入しました。アメッド沖の海底200メートルから取水した海洋深層水には豊富なミネラルが含まれ、お肌をしっとりとさせる効果があるそうです。タラソ化粧水などはよく聞きますが、お風呂にいれて全身浸かるのはなかなか出来ない贅沢ですね。
ちなみにVIPルームで入浴の際は、タラソフラワーバスの他にワインバブルジャグジー、デトックスハーブバスの3種類から選ぶことが出来ます。
TAMBAタラソアロマテラピー フェイシャルストーンマッサージ
入浴後はバティック柄のチューブワンピを着てベッドに横になり、フェイシャルの開始です。
トリートメントに使用するのはナチュラルハーブを使用したオリジナルのジャムープロダクトRAHASIA(ラハシア)というフランジパニ。
フェイシャルでは、皮膚科医とのコラボでラハシアから誕生したドクターコスメラインTAMBA(タンバ)を使用します。
まずはクレンジング。やわらかいスポンジで丁寧に拭き取りをしたあと、蒸しタオルで温パックをします。
そのあとはゴマージュで老廃物を落とし、さらに蒸しタオルのパックと、どのスパのフェイシャルにも増して手間暇かけた行程が印象的でした。
顔を蒸している間、手と足のマッサージが入ります。
そのあと顔にも専用のマッサージクリームを塗り、手のひら、指を使ってテクニカルなマッサージ。
今回はフェイシャルにもホットストーンを使うということで、ボディのときのように熱かったり赤くなるのは怖いなと思っていました。ですがマッサージは終始やさしいタッチで、いつ石を使ったのかわからないほど自然なものでした。
マッサージのあとはアンチエイジングクリームをたっぷりと塗り、ティッシュでパックして約20分時間をおきます。
パックの拭き取り後は、アイシングで毛穴を引き締めることも忘れません。
タラソウォーターのミスト、モイスチュアクリームを塗ってフェイシャルは完了しました。
ザ・メディテーションは5時間半というロングコースのため、途中15分のリフレッシュ休憩が入ります。
VIPルームにあるフリードリンクメニューから、好きなものを選んでいただきます。
トリートメントルーム前のテラスは眺めがよくて、休憩にちょうどいい空間でした。
ドリンクメニューは
- パパイヤジュース
- バナナジュース
- ミックスジュース
- ヨーグルトラッシー
- バリコーヒー
- ジャワティー
- コカコーラ
- スプライト
- アクア
お代わりも可能です。
シロダーラ
ザ・メディテーションでは、シロダーラまたはフットマッサージを選べます。
今回ムナコはシロダーラをチョイスしましたが、フットマッサージをお選びの場合はお部屋の外のフットマッサージルームにて施術が行われます。
ベッドに横になり、頭皮やこめかみをマッサージ。
これがシロダーラ前の儀式です。
つるりとした陶器のシロダーラポットからオイルが滴り始めました。
ホットストーン同様オイルも熱々です。
開始時よりも、少し時間が経って冷めてきてからの方が心地よく感じました。
フランジパニで特徴的なのは、他店では一直線に垂らすことの多い髪を、ふたつの房に分けて固定することです。こうすることでオイルがすぐには下に落ちず、頭のまわりにとどまっている感覚が新鮮でした。
過去の経験では、あまりシロダーラオイルが早く落ちので、流れがくすぐったくてソワソワしてしまうこともありました。その心配がなく、頭のまわりがじんわりあたたかいこの方式は画期的。オイルの栄養成分もたっぷりと髪と地肌に浸透する気がします。
クリームバス
シロダーラでたっぷりとオイルを含んだ髪は、シャンプーをしてクリームバスの施術に入ります。
フランジパニでは5種類のフレーバーを用意していて、VIPルーム内に効能の説明書きとサンプルがあるので
香りをチェックしながら選ぶことが出来ます。
・アロエ・・・潤い補給、育毛に効果的。
・キャンドルナッツ・・・艶とコシのある髪へ。
・シーウィード・・・ダメージヘアに。
・アボカド・・・毛穴の働きをサポートし、抜け毛予防。
・ジンセン・・・抜け毛予防。(匂いが強いので注意)
私は2~3日匂いが消えない程強烈というジンセンが気になりましたが、あいにく取材日は欠品中でした。
サンプルの香りが気に入ったシーウィードを選び、まずはオイルを洗い流します。シャンプーはグリーンココナッツ&シトラス。爽やかな香りでした。
頭皮マッサージの直前、クリーム剤にもたっぷりとタラソウォーターを混ぜ込みます。
海洋深層水はお肌だけでなく、髪に潤いを与える効果もあるそうです。
プレートに山のように盛られていたクリームバスをすべて髪に塗り込め、タオルでまとめます。
ストーンジャムーでリズミカルに肩のマッサージをしたあと、スチームマシンで髪を蒸します。
頭にスチームを当てながら、腕のマッサージが始まります。
華やかな香りが心地良い、ローズローションを使用♪
スチームが終わるとクリームバスを洗い流し、ドライヤーで髪を乾かして完了です。
トリートメント終了
ザ・メディテーションのすべての行程が問題なく行われたか、サインをしてお部屋を出ます。
ザ・メディテーションには60分間のフリータイムが付いています。終了後に60分、またはトリートメントの合間に30分ずつ分けて2回フリータイムを取ることも可能です。
フリータイムを過ごしたのは、ハーバービューが見渡せる気持ちのいいテラス!
朝降っていた雨もこの頃には止み、青い海と空の景色を楽しめました。
フリータイムに楽しめるお食事は、全部で4種類のセットからお選びいただけます。受付時にロビーにてオーダーしてくださいね。
レストランでいただくような、とてもおいしいインドネシア料理でした。
バビ(豚肉料理)セット
バビケチャップ(豚肉の甘辛炒め)
サユールジュパン(冬瓜の野菜炒め)
ミーゴレン(インドネシア風やきそば)
ご飯
チャンプル(魚&豚料理)セット
サユールヒジョウ(ホウレン草の炒め物)
ナシゴレンシーフード(シーフードチャーハン)
サテバビ(豚の串焼き)
テンペ(大豆の揚げ)
デザートはフルーツの盛り合わせです。
マンゴーにグレープ、マンゴスチン、サラック。
見た目もゴージャスなトロピカルフルーツボリューム満点で、これだけでお腹いっぱいになりそう。
大満足で食事を終えた後は1Fへと戻り、ロッカールームの金庫から荷物を出します。
ロッカールーム内には大きな鏡のドレッサーがあり、椅子も2脚備わっています。最後のお化粧直しはこちらで♪
ブラシやドライヤー、それにラハシアの化粧水やローションも置いてあります。
フランジパニのオリジナルプロダクトが気に入ったなら、ロビーの販売コーナーで買って帰ることも出来ます!タラソウォーターからジャムースクラブ、ボディバターなど、肌に優しいナチュラルコスメが手に入ります。
バリ島ゆかりのハーブを使った品質のいいジャムーコスメは、お土産として自分用にもプレゼント用にも重宝しそう。
「ありがとうございました」とスタッフ達にあたたかく見送られながら、フランジパニを後にします。
本日は長い時間、お世話になりました!
取材を終えて・・・
日本人ツーリストはバリ島滞在中、いろんな場面で日本との違いに戸惑うことが多いはず。わからないことがあるけど、スタッフが察してくれない。言葉が分からないから自分で質問も出来ない。そんなことの連続ではストレスになってしまいますよね。とかくそれがスパだと、せっかくのリラクゼーションが台無し・・・
私も言葉が完璧ではないので、取材先のスパでもどかしい思いをすることもあります。
ですが今回のスパ体験中は、そういった不自由を感じることなく過ごさせていただきました。単にスタッフの日本語が堪能というだけでなく、細やかな気配りが行き届いていて、何もかもを安心して任せることが出来ます。「日本にいるみたい・・・」スパ内で何度もそう思いました。接客、雰囲気、トリートメント、プロダクト、お食事まで、どれも非常に満足度が高かったです。
がんばって注意点を挙げるとすると・・・ロビーからVIPルームまでの距離は少し遠いです。道中目に入るのは素敵な宮殿風のインテリアなので私はまったく苦になりませんでしたが、足の悪い方は大変かもしれません。
また、今回はホットストーンとシロダーラが熱々でした。日本人は熱いのが好き!という教育方針なのでしょうか笑 もちろんテラピストは日本語が分かるので、温度調節、力加減の調節、希望はすぐに伝えましょう。
こちらのお店は一般に高級店として有名ですが、これだけレベルが高くバランスのとれたサービスを提供しているなら、むしろお得と思えるほどです。現実に、他にもっと安い店があるにもかかわらず、フランジパニは連日予約でいっぱい。このお店なら、友達や家族にすすめる人も多いのだろうなと思えます。
「バリスパで間違いなく良い思いをして帰りたいのですが・・・」
もしもそんな相談を受けたら、私も第一にフランジパニの名を挙げるでしょう。
※体験内容・価格は予告なく変更される場合があります。また、本レポートには取材者の主観的な意見が含まれていますが、全ての方にこれを保障するものではありません。あくまで参考としてご利用くださいませ。