2013年3月20日、日本人経営のラグジュアリースパ、クイーンローズにお邪魔しました。スパ取材はスパ取材でも、今回のターゲットはスパスクール!資格を取ったり、興味ある分野のお稽古をしたり・・・海外プチ留学はいま女性の注目を集めていますよね。癒しの島バリで学ぶなら断然、リラクゼーション&ビューティーについてのスキルです。定番のバリスパメニューを7時間でみっちりレッスンする1日コースをムナコが体験してきました。
クイーンローズスパへ・・・
スクールは送迎付なのでホテルからのアクセスも楽々。
クイーンローズのロゴが入ったブラックの送迎車が参ります。
日本人経営のクイーンローズスパはヒロチャンと同じくジンバランにお店を構えていて、実はオフィスから歩いて行けるくらいのご近所です。
以前からスパの前を通る度、表で待機しているドライバーさんが「コンニチハ!」と声をかけてくれるので日本人にフレンドリーなスタッフが多いお店だな~と思っていました。
この日のドライバーさんも車を降りてからドアの前まで朗らかに案内してくれました。
オリエンテーション
入店してまずは、レセプションカウンターにてオリエンテーションを受けます。
スパスクールの流れを説明してくれるのは日本人スタッフなので安心です。
スクールにはトリートメント体験も含まれているため、ここで健康状態やマッサージの好みを確認するカウンセリングシートに記入します。
1日コースのスケジュール | |
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9:00-9:30 | オリエンテーション |
9:30-11:00 | トリートメント体験 |
11:00-11:30 | 実習 |
11:30-12:30 | 昼食(ナシゴレン または ミーゴレン または 親子丼) |
12:30-14:30 | 実習 |
14:30-14:45 | 休憩 |
14:45-16:45 | 実習 |
16:45-17:00 | 修了書授与 |
17:00 | ホテルへ向けて出発 |
トリートメント体験
午前中のメインはトリートメント体験です。
ロビーから長い廊下を通ってトリートメントルームに移動します。
いつも外から見ていたクイーンローズの内部は意外なほど広々していました。白い壁が清潔感に溢れています。
オリジナルの赤いバティックサロンが鮮やかなカップルルームに着きました。本日はこちらでトリートメント体験とスパレッスンを受けます。
日頃は通常のゲストのために使っている部屋なのでファシリティも完璧です。
本物のスパルームで実習を受けるって贅沢ですね。
ちなみにクイーンローズではスパスクール専用のレッスン棟の増築も進められていて、2014年までに完成する予定です。
荷物はドレッサーの棚の中へ。
貴重品用のセーフティボックスも備えられています。
バッグや着てきた服はこちらに入れて、ガウンと紙ショーツを身につけます。
トリートメント体験では、レッスンでお世話になる講師にお手本として施術をしてもらいます。
本日担当していただくのはメルニ先生。
テラピスト歴9年のベテランです。
クイーンローズにはオープン当初から4年間在籍。
「日本語は勉強中・・・」と謙遜なさる先生ですが、ゲストの9割が日本人というこのお店に長年いるだけあり、言葉はかなりお上手でした。
スパスクール1日コースで選べる科目は、バリニーズマッサージまたはクリームバスの2種類です。
本日ムナコはバリニーズマッサージをチョイスしました。
まずは窓際のチェアに座ってフットバスからのスタートです。
初対面からフレンドリーで親しみやすい雰囲気のメルニ先生でしたが、さっそく足に触れたときの手つきから集中力が伝わってきました。あっ・・・これは上手な人の指使いだ、さすが先生・・・!
ラベンダーソルトとペパーミントのエッセンシャルオイルを使って膝下を洗い流した後、トリートメントベッドに上がってバリニーズマッサージの開始です。
マッサージオイルはベルガモット、ラベンダーのエッセンシャルオイルをブレンドしたリラクゼーション効果の高いもの。上品で優しい香りが広がりました。
時間を忘れてうっとりしたいところですが、マッサージを受けることも授業の一部!
先生のお手本に意識を集中してみますが、これはけっこう自分との闘いですね。
マッサージ終了後はシャワーを浴びて、自分の服を着ます。
トリートメント実習
たったいまメルニ先生が披露してくれたテクニックを、自分も他の人に出来るようになるよう習得するのがスパスクールの狙いです。
感覚を忘れないうちにさっそくレッスンスタート!
クイーンローズのスパスクールには、原則生徒ひとりにつき先生・通訳・モデルがひとりずつつきます。
本日の通訳は日本人ゲストリレーションの横山さん。
スパスクールの通訳は大体彼女が担当していますが、日によっては日本語堪能なインドネシア人スタッフがみてくれることもあるそうです。
モデルとなってくれるのはクイーンローズの新米スタッフ、スンちゃんです。
手元のバインダーにはクイーンローズ特製のトリートメントマニュアル(日本語)があり、
実習で行うのと同じ手順が文章で説明されています。
ですがやはり、大事なのは自分の手の感覚で覚えること!!
先生に教わりながら自分でモデルの身体を触ってみて、自分なりの言葉でマニュアルにメモするのも有効な学習方法なのだとか。
バリニーズマッサージ(60分)はまず、サロンを掛けたままで行うウォーミングアップとノンオイルの指圧から始まります。
ウォーミングアップは2つの工程、指圧のほうは20もの工程があり、ひとつずつ先生のデモンストレーションを観察、そして実践というステップで授業は進みます。
日頃自分がトリートメントを受けるときはあまり意識しませんが、流れるような動作のバリニーズマッサージにもきちんと「型」があります。
手で圧迫するポイントと掛ける圧の強さ、メルニ先生がピタリと照準を合わせてくれます。
モデルの身体全体をまんべんなくほぐしていくときは、ベッドのまわりをぐるりと回るように移動します。
このとき自分の身体をどのタイミングでどの方向にもってくるのか、テラピストはそんな細かいところにも気を使う必要があることを初めて知りました。
通訳の横山さんはメルニ先生の言葉を訳すというより、実習の様子を見ながら要所要所に的確な指示をいれてくださいました。2人の先生に教わっているかんじ。
クイーンローズのレッスンでは講師が指摘するまでもなく、通訳自身がトリートメントの手順を熟知しているので、「指先に力を入れてください」「なるべく手を離さずに」など鋭い修正を入れられるのです。
それぞれの手技についている名前や動作の意味も、講師のデモンストレーションに合わせて息ぴったりに通訳が解説してくれます。おかげでテンポよく実習が進みました。
昼食
午前中はトリートメント体験がメインのため、実習時間は短めです。
11:30~12:30の1時間はランチ休憩となります。
スパスクールにはお食事も込み。
メニューはナシゴレン/ミーゴレン/親子丼から選べるので、オリエンテーション時にオーダーしましょう。
本日は一番人気のナシゴレンをいただきました。
日本のチキンライスに近い味で、ローカルフードが苦手な方も美味しく召し上がれそう。
サラダやデザートもついていて大満足です。
お食事はシックなロビーにていただきました。
空きがあれば敷地内のプライベートヴィラで休憩をとることも出来るそうですが、残念ながら今回は満室でした。
クイーンローズスパのヴィラは帰国日プラン体験レポにて詳しくご紹介しています。こちらからどうぞ>>>
午後の実習
午後も引き続き実習を受けます。
テラピストがベッドに上がり、体重を掛けながらロングストロークするのはバリニーズマッサージの花形テクニックですよね。
メルニ先生のデモンストレーションに続き、ムナコも実践します。
手につけるマッサージオイルの適量は意外と多い!手のひらを擦り合わせて温めることも忘れずに・・・
実習ではお腹、腕、胸など各パーツごとにマッサージのマニュアルを実践していきますが、うつ伏せになった背中への工程は最多の24ステップ。難しい手技は出来るようになるまで何度でも繰り返し教わります。
ストロークの回数が何回、指圧する時間が何秒、というふうに細かく定められた動作の積み重ねで60分間のバリニーズマッサージが構成されていきます。
マッサージの手順の中で、頭は一番最後にくるパーツです。
束にした髪をひっぱって脳を刺激する手技。
ちょうどいい量の髪を掴むのが難しい~!
一番最後に、髪の束をかき集めるように指を通し、床に払う仕草をします。
この動作にはからだの中の悪い「気」を捨てるというスピリチュアルな役割があります。
これまでに取材したスパでもきっと行われていたのでしょうが、スクールを受けて初めて知った事実に目から鱗でした。
修了書授与
コースをすべて終えると、クイーンローズスパから修了書が授与されます。
書面には選択した科目名とトレーニングした講師の名前が記入されます。
6日間コースのご紹介
今回私が体験した1日コース以外にも、クイーンローズスパでは数種類のスパスクールを開講しています。
一番人気は5時間レッスンを6回受ける6日間コース。
1科目6日間(30時間)以上のトレーニングを受けることにより、発行される修了書がインドネシア政府公認のものにグレードアップします。
また、1日コースで選べる科目はバリニーズマッサージまたはクリームバスのみですが、6日間コースの科目はもっとバラエティに富んでいます。
今回は特別に、6日間コースの科目もほんの少し体験させていただきました。
★ウォームストーンマッサージ
温めた玄武岩を使用したマッサージ。石が熱いため、肌の上で素早く動かすテクニックが必要です。
★スリミングマッサージ
「ゲストよりも施術者本人が痩せちゃう」と言われるほどハードワークのスリミングマッサージ。施術には最低2時間かかるため、6日間コースでじっくりと教わります。
★アーユルヴェーダ・シロダーラ
アーユルヴェーダで一番人気のメニュー、シロダーラ。お店によってはオイルでべとべとになっているところもありますが、クイーンローズの器材は清潔で気持ちよくレッスン出来そう。
★6日間コースで選べる科目一覧
バリニーズマッサージ/アロマテラピーマッサージ/クリームバス/ウォームストーンマッサージ/リフレクソロジー/スリミングマッサージ/タイ古式マッサージ/ボディスクラブ/フェイシャル/アーユルヴェーダ・シロダーラ/メンズエステ
取材を終えて・・・
バリスパのトリートメントが気持ちいいのは何故か?多くのスパへ取材に伺ううち、そんな疑問が蓄積されていました。テラピストたちはゲストの身体にどんなことをしているのか、それを知る近道は自分自身がテラピストのトレーニングを受けることです。
というわけで、今回のクイーンローズのスパスクール取材は願ってもない機会。バリニーズマッサージのテクニックにぎっしり詰まっている意味や働きを興味深く学習させていただきました。
特にクイーンローズのスクールは自分自身が施術を受けるトリートメント体験がもれなくセットになっているので、人からされる感じ/自分が人にする感じがわかり、より深く理解できますね。レッスン中は通訳がつきっきりで解説を入れてくれるというのも、日本人スタッフが多いクイーンローズならでは嬉しいサービスです。通訳自身もトリートメントの知識が豊富なので、ハイレベルな授業を受けられました。
スクールを受講する生徒たちは日本でエステサロンに勤めている人、これからテラピストを目指す人、そして趣味として受ける人まで様々です。気軽な海外留学をお考えの方、何かスキルを身につけてステップアップしたい方にぴったりですね。
そしてスパスクールは、「エステ大好き。でも私は施術を受けるの専門だから・・・」という人にもぜひおすすめです。普通スパでトリートメントを受けるとき、テラピストは「これからどこどこを活性化させます」なんてことはいいません。ですが自分で手技の意味をわかっていれば、それを人にやってもらう喜びがより大きくなるはず。そして通常受けているだけでは気づかないトリートメントのヒーリング効果をもっと実感出来るはずです。私も今後別のスパで施術を受ける日がとても楽しみになりました。
※体験内容・価格は予告なく変更される場合があります。また、本レポートには取材者の主観的な意見が含まれていますが、全ての方にこれを保障するものではありません。あくまで参考としてご利用くださいませ。